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   悪質商法(クーリングオフ)
     基礎知識 ~クーリング・オフとは?
■「クーリング・オフ」とは?
  
 クーリング・オフは、訪問販売など不意打ち的な販売方法によって物を買わされた場合や、エステ・語学教室など長期間にわたる契約で実際に受けてみないと効果が分からないような契約をした場合、または悪質な販売方法によって締結させられた契約を解消するための制度で、一定期間内であれば契約を無条件で解約することが出来る消費者のための制度です。
  
 本来、契約は当事者を拘束するもので、解除するためには、それなりの理由がある場合(法定解除)か、当事者の合意がある場合(約定解除)でなければ、出来ないというのが、民法(契約に関する法律)のスタンスです。
 しかし、クーリングオフの制度は、法定解除、約定解除の原因や理由がなくても契約を解消することができ、民法の採る立場とは全く異なります。

 お互い対等な立場であるならば、約束は守られるべきですが、クーリング・オフをすることが出来る取引はすべて、情報力や交渉力といった点で、消費者が弱い立場で契約することが多いため、購入者は冷静に判断する期間とその結果、不要な契約であったと考えたならば、その契約を解消する手段が必要であるとして成立したのがクーリング・オフの制度であると考えていいでしょう。

 小難しいように思われるかもしれませんが、実際は、ほとんどの場合、専門家などに頼る必要はなく、簡単に自分で処理できるようなものばかりです。
■クーリング・オフが使える「要件」

(a)法定の期間内であること

下の表は、それぞれの取引形態におけるクーリング・オフが可能な期間です。

訪問販売

訪問販売、キャッチセールス、アポイントメントセールス

8日間

電話勧誘販売

業者の電話による勧誘によって申込みをした契約

8日間

通信販売

カタログショッピング、テレビショッピング

×

連鎖販売取引

マルチ商法(ねずみ講)

20日間

特定継続的役務提供

エステ、語学教室、家庭教師など

8日間

業務提供誘引販売取引

内職商法、モニター商法

20日間

*このクーリング・オフの行使期間は「契約書面の交付を受けたときから」です。
 つまり訪問販売の場合、4月1日に契約し、書面を交付されたとしたら、1日から数え始めて、4月8日が終わるまでとなりますので、クーリング・オフは8日中の郵便局の営業時間内に郵送すれば大丈夫ということになります。
 期間を経過してしまっている場合 →こちらをご覧ください


(b)指定商品にあたること

特定商取引法では指定商品制を採用しており、基本的には、それぞれの販売方法に当たる場合でも、購入した商品が政令で定める指定商品に指定されていなければクーリング・オフをすることはできません。

  また、消耗品を使用した場合にはクーリングオフの規定は適用されません。
  (消耗品については、事業者がクーリング・オフを阻止する目的で、消費者に使用させるなど、消費者のクーリング・オフを妨害したと評価される場合は適用されます。)

指定商品のチェック
(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S51/S51SE295.html)
  別表第1、2、3(第3条関係)が指定商品・指定役務にあたります。
 別表第4が消耗品になります。

(c)書面で通知すること
  クーリング・オフは書面で通知しなければ効果がありません。 →  
    対処方法・解決方法
■クーリング・オフが可能な期間内であれば・・・

Ⅰ 自分で通知する


 「1、クーリング・オフとは・・」でも書いたように、期間内であれば自分で対処することは充分可能です。

  訪問販売などの契約書には、クーリング・オフの方法を記載することが義務付けられています。それを参考に自分で販売業者に通知をし、交渉することも出来ます。
  ただし、クーリング・オフは書面でしなければ効果が無いので、必ず書面で作成しましょう。
 一般的には葉書が用いられますが、万一の郵便事故や事業者に到達後の紛失等が起きると立証が困難なので、葉書の表裏をコピーにとって簡易書留または配達記録郵便で送付するのが安全です。
 また、内容証明郵便(郵便局が通知した内容を証明してくれる郵便)で郵送し、相手に到達したことが分かる配達証明をつけたほうがさらに確実ですが、個人で通知するには面倒な場合も多いので、内容証明の書き方で悩むよりは、さっと葉書を出してしまったほうがよいと思います。

  参考までに、「記載しなければならない事項」と「内容証明の書き方」を載せておきます。→
  
また、自分で解決したいが、少し不安だという方や、その他簡単な疑問については、消費者センターでも相談してくれます。

Ⅱ 専門家に依頼する

 自分でクーリング・オフの通知をしてみたがうまくいかない場合や、消費者センターでは対応できないといわれた方、最初から専門家に相談したいという方は、弁護士か司法書士など専門家に相談してください。

 当事務所での取扱い

■クーリング・オフ行使期間を経過してしまった場合


 
クーリング・オフを使うことができる期間を経過してしまったとしても、クーリング・オフを絶対に使うことができないということはありません。
 クーリング・オフをすることができる期間は販売方法によって異なりますが(2、Ⅰ②)、その期間の初めは「契約書面等を受け取ったときから」となっています。

 


(書面不備によるクーリング・オフ期間の延長)


 たとえば契約書や申込書などを受け取っていたとしても、その書面に販売業者の住所や名前など連絡先が書いてなければ、クーリング・オフを使うことができないまま、期間が過ぎてしまうということになりかねません。

そのため、「販売業者の会社名、住所」や「支払方法」など、後からその契約書を見たとき、消費者が自分のした契約内容などを確認できるように、契約書に記載しなければならないことは法律で決められており(法定記載事項)、それが一つでも書かれていない契約書を受け取っても、契約書の交付はなかったものとして、クーリング・オフの期間はいまだ過ぎていないとみなすことができます。


 
(クーリング・オフ回避行為による期間の延長)

 また、「クーリング・オフはしません」と約束させられたため、できないと思っていた場合や販売担当者に「解約されると自分が買い取らなければならなくなる」等と懇願されていて、期間が経過してしまった場合、または「使用方法の説明をする」「不良品だと困るので今開けて欲しい」等と言って消耗品を使用させ、クーリング・オフできなくするなどの行為は消費者のクーリング・オフをする権利を不当に妨害しているため、その妨害理由(例えば「約束したためクーリング・オフはできないと思っていた」)が排除されてから法定の期間が経過するまでは、クーリング・オフをすることは出来ます。


Ⅰ 対処方法

 クーリング・オフの行使期間を経過してしまった場合、法定記載事項が欠けていないかなど細かく契約書をチェックする必要があり、また、クーリング・オフの妨害をしてくるような販売業者は個人では対応してもらえないなど、自分で通知するには困難が多いようです。

 その他、法律的に微妙な問題を含んでいますので、始めから専門家に相談をしたほうが賢明かと思います

    当事務所での対応

当事務所では、クーリング・オフの相談や、その他、問題のある契約(詐欺や強迫など)によって困っている方の相談から訴訟まで対応しておりますので、電話でご予約の上、資料等をもってお訪ねください。

 契約の問題点などを検討した上で、アドバイス致します。


  
 
以前、ある市民法律講座の講師をさせてもらったとき「クーリング・オフという制度を知っている人!」と聞くとほぼ全員が手を挙げましたが、逆に、「クーリング・オフを使ったことがある人!」と聞くと手を上げる人はいませんでした。
 また、その効果について、例えば「受け取った商品はどうすればいいのか」とか「代金はどれぐらい返してもらえるのか」など、知っている人はほとんどいなかったように思われます。

 クーリング・オフという制度はとても身近な制度でありながら、その内容について聞いたことがある人は大勢いますが「実際のところ「一週間以内は解約することが出来る」というぐらいにしか考えていない人がほとんどではないのかな」と思ったのが、その時の感想でした。
 

 
しかし、今まで見てきたように、結局、クーリング・オフはある程度の知識と方法が分かっていれば、ほとんどの場合、自分で処理することが出来る制度だということが分かっていただけたと思います。
 最近では、行政書士のホームページなどで「クーリング・オフ通知代行!」「内容証明郵便書きます!」などの文句をよく目にしますが、弁護士や司法書士と違い、内容証明郵便を代書することしかできず、示談交渉などは一切できません。そのため、クーリング・オフをしてもらったはいいが、販売業者がその効力を争い、その後、裁判などの紛争に発展した場合は、対処することができず、弁護士や司法書士などの別の専門家に依頼しなければならないため、余計な出費を強いられることになりかねません。

 さらに、行政書士に限らず、全く資格を持たないものが、「クーリング・オフします」という内容のホームページを開いていることがありますが、資格を持っている行政書士でさえできないことがあるのですから、そのような怪しい業者に依頼することは、よけいな被害を受ける恐れがあるため、ご自身でされたほうがよほど安心だと思います。
■参考


悪質な販売方法

悪質商法

手口

デート商法

異性に対し、親しくなる中で恋愛感情を利用し、言葉巧みに異性間の恋愛感情を利用して契約をする方法

内職・モニター商法

(内職商法)

内職の仕事を紹介するからと言って、高い機材を売りつける方法

(モニター商法)

浄水器、エステなどのモニターになれば礼金を払うと言って高額な商品を契約させる方法

キャッチセールス・

アポイントメントセールス

(キャッチセールス)

「アンケートに答えて欲しい」など声をかけ、喫茶店などに連れて行き、強引に契約させる方法

(アポイントメントセールス)

「景品が当たりました」など電話をかけ、喫茶店などに呼び出し、強引に契約させる方法

ホームパーティー商法

「料理の講習会を開きませんか」など近所の主婦を集め、鍋などの商品を高額で買わせる方法

マルチ商法

「知り合いを勧誘して商品を販売させればあなたの儲けになる」と販売組織に勧誘し、大量に商品を買わせる方法

SF(催眠)商法

人を集め締め切った会場で日用品等を無料で配り、冷静な判断力を失わせた状態で商品を売りつける方法

ネガティブ・オプション

商品を一方的に送りつけ、受け取った人が勘違いして支払うことを狙った商法

霊感商法

「先祖のたたりで不幸になる」など、人の不安や不幸につけ込み、高額な壷や印鑑等を買わせる方法

法定記載事項

(訪問販売の場合)

①    事業者の氏名・名称、住所・電話番号、法人代表者名

②    契約申込・締結を担当した者の氏名

③    商品名および商品の商標または製造者名

④    商品の形式・種類、権利・役務の種類

⑤    商品の数量

⑥    商品・権利の代金、役務の対価

⑦    代金・対価の支払方法・支払時期

⑧    商品の引渡時期・権利の移転時期・役務の提供時期

⑨    クーリング・オフの要件および効果

⑩    契約の申込み・締結の年月日

■書面の内容

 基本的には、契約時に交付された申込書面または契約書面に記載された、クーリング・オフの書式例に沿って、作成したらOKです。
 
 内容については以下のことが書いてあれば、解約の効果があります。
  ① 販売店の名称、住所
  ② 契約した商品・役務を特定できるように記載する
*何を契約したか覚えていない場合は「〇年〇月〇日に契約した一切の契約」と記載すればよい
  ③ 「クーリング・オフします」という意思表示を記載する。
  ④ 発送年月日
  ⑤ 差出人の氏名・住所
■内容証明郵便の書き方
  
  ① 1行20字詰め26行で、記載する。(専門の用紙が文房具屋で売っています)
    句読点も1字に数える。
    
  ② 原則として無集配特定郵便局・簡易湯便局は受け付けてくれません。
  ③ 内容として記載することは「■書面の内容」と同じで足ります

契約解除通知書

 

 前略

 私は、平成〇〇年〇〇月〇〇日締結の貴社との間の下記〇〇契約について、クーリング・オフにより、本書面をもって契約を解除致します。

1 契約年月日 平成〇〇年〇〇月〇〇日

2 担当者   〇〇 〇〇

3 商品    〇〇〇〇(〇〇個)

4 商品代金  〇〇万円

6 支払総額  〇〇万円

 つきましては、上記契約に際して支払いました金〇〇円を本書到達後1週間以内に返還いただきますよう、お願い致します。

なお、商品は貴社費用をもって早目にお引き取りください。

平成〇〇年〇〇月〇〇日


〇〇市〇〇区〇〇〇丁目〇番〇〇号

 株式会社〇〇〇〇

代表取締役 〇〇〇〇 殿


                            〇〇市〇〇区〇〇〇丁目〇番〇〇号
                                       
                                           〇〇 〇〇 ㊞

 

 

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