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   成年後見
     基礎知識  ~成年後見制度とはどのような制度ですか?~
 ■成年後見制度とは・・・。
 
 自分が死んでしまったとき、自分自身は自分の財産を使うことはできませんが、その財産の処分方法は遺言書に書き留めておくことにより、自分の好きなように分配することができます。

 しかし、自分が痴呆や精神障害のため判断能力が低下してしまった場合は、自分の財産の使い道だけでなく、誰が代わって財産を保護してくれるのか、誰が自分の身のまわりの世話をしてくれるのかについても考えなければなりません。
                          
 成年後見制度は、そういった自分の判断能力が低下した場合(例えば、精神障害や痴呆症)に、裁判所が選んだ、または自分がお願いした保護者(後見人)の方が、必要な見守りを続けながら、身のまわりのお手伝いをしたり、自分の財産や権利を保護してくれる制度で、自分が自分らしく生きるため、大切な家族の暮らしを守るためにも、ぜひとも知っておきたい制度です。

 成年後見制度には、任意後見法定後見の2つの制度があります。



 ■法定後見(ほうていこうけん)

 今現在、既に判断能力が衰えている方(痴呆や精神障害)のための制度です。
 「法定後見」の場合は家族や親戚などが家庭裁判所に対して、本人にとって適切な保護者(「後見人」と呼ばれます。)を選んでくれるよう申し立てることにより開始されます。

この制度は、例えば、次のようなときに利用することが考えられます。

両親が痴呆症で介護施設に入院しているが、両親の所有する財産の管理が大変!
父が亡くなったため、その遺産を兄弟で分けたいけど、兄に精神障害があり協議できない!
最近ボケ始めた一人暮らしの母親が、訪問販売で不要なものをたくさん高額で購入する!

 このような場合、法定後見の手続をすることにより、家庭裁判所によって選ばれた保護者(後見人)が、本人の希望を尊重しながら、財産管理や身のまわりのお手伝いをすることになります。
 手続についてはこちら
 
  任意後見にんいこうけん)

 将来、自分の判断能力が衰えたときに備えて、あらかじめ保護者(任意後見人とよびます)を選んでおき、判断能力が低下・喪失してしまったときに、選んでおいた保護者に自分の財産の管理などを任せる制度です。

 「任意後見」の場合は「法定後見」とは違って、将来、自分の財産の管理や保護を任せたい相手と契約(任意後見契約)をすることが必要になります。
 そして、その任意後見契約で、将来の財産や身のまわりのことなどについて、「こうして欲しい」という具体的な自分の希望を保護者に頼んでおくことが出来ます

この制度は、次のような場合に利用ができます。

一人暮らしで身寄りがなく高齢になってきたので、自分の財産や身のまわりのことなど将来が不安!
自分が亡くなった後、最近痴呆が進んでいる妻の生活がとても心配!


 このような場合は、自分の判断能力が健在のうちに信頼できる任意後見人と任意後見契約を締結しておき、判断能力を失った場合(例えば痴呆症になってしまった場合)に自分の生活、療養看護、財産の管理を任せることができます
 また、任意後見人は複数でも構いませんし、リーガルサポートなどの法人(団体)もなることが出来ます。

 手続についてはこちら



    手続
 ■どのような手続をするのですか? 法定後見
 
 法定後見を始めるには、家庭裁判所に申立てをする必要があります。

*標準的な審理の流れ

 ①申立て        
  
 ②調査・・・申立て書類を点検したり、家庭裁判所の調査官が調査をしたりします。
 ③鑑定・・・本人の判断能力が低下していることを確認するため
          主治医などに鑑定をしてもらいます。

  
 ④審判・・・家庭裁判所の裁判官が決定します。
  
 ⑤後見事務監督・・・成年後見開始の審判(④)があると、家庭裁判所はその後、
                  成年後見人を監督し、必要に応じて指導したり、
                  助言したりします。
 
 家庭裁判所には法定後見を申立てるために必要な書類一式をそろえており相談にも対応していますので、もし、ご自身で申し立てたいという方や相談に乗って欲しいというのであれば、一度、訪ねてみてもいいと思います。
 →家庭裁判所
 
  ワンポイントアドバイス

 家庭裁判所に法定後見を申し立てるとき、後見人(保護者)になって欲しい人を候補に挙げて申し立てることができます
 そして、成年後見人となる人は家族や親戚に限られるものではなく、誰でもなることができますが、法定後見の場合、裁判所に「この人を後見人にして欲しい」と申し立てたとして、裁判所は必ずその人を後見人にしてくれるわけではありません。

 成年後見人は痴呆や精神障害により判断能力を失った本人(成年被後見人)の財産を保護し、最近問題になった悪質な訪問販売業者のような人たちから本人を守る必要があります
 そのため、本人の適切な保護のためには、後見人には法律の専門家である弁護士や司法書士などの第三者の専門家を後見人に選ぶことを検討する必要もあると思われます

 また、裁判所も親族間で対立があってややこしい場合や、多額の財産がある場合など法的な保護の必要性が高い場合は、申し立てられた候補者を選ばず、そういった専門家を選ぶことになります。

 しかし、知り合いに弁護士や司法書士がいる場合を除いて、身近で信頼できる専門家を探し出すのは通常、困難だろうと思います。
 そこで、当事務所では、そういった問題も含めて、成年後見に関する相談から成年後見人の候補者の依頼にも応じておりますので、もし相談等ある場合は当事務所にもお立ち寄りください。
 事情をお聞きした上、適切なアドバイスを致します。

 また、法定後見の申立書の作成が家庭裁判所で相談したがややこしいとか、始めから専門家に依頼したいなど、申立書の作成などに対応しています

 当事務所での対応


  ■どのような手続をするのですか?任意後見
 
 任意後見契約は、将来、自分の財産を守ってくれる保護者(後見人)と一緒に公証役場に行って公正証書でする必要があります。 

 *標準的な任意後見契約の流れ

 ① 任意後見契約をする・・・契約の内容は事前によく検討することが必要です。

     例えば次のようなことを依頼しておくことができます。

      ★大事な権利書や預金通帳を預かって保管して欲しい
      ★生活費は預金の中から、毎月〇万円をあててください
      ★病気になったら〇〇病院に入院したいので、その手続をお願いします

   
 ② 任意後見監督人が選任される

 任意後見契約は将来自分が痴呆症になってしまった場合などに備えて、自己の財産の使用方法や生活環境を任せれる人と契約しておく方法です。
 ですので、任意後見契約は自分が判断能力を失ってしまったときに始めて効力を発揮します。

 しかし、契約したとはいえ本当に後見人が契約どおり自分を保護してくれるのかについては保証がありませんし、もし、契約を守っていなくても自分が痴呆症などになってしまった後ではそれも分からなくなってしまうという不安も残ります。
 
 そこで、具体的には家庭裁判所が任意後見人を監視する人(任意後見監督人)を選んだときに始めて、任意後見契約は効力を発生することとなっています。
   
 ③ 任意後見人が業務を開始・・・任意後見人が契約した業務をします。
   
 ④ 契約終了


  ワンポイントアドバイス

 任意後見の利用方法

 
 任意後見人は、自分が精神障害や痴呆になってしまった後に、任意後見契約で契約していた内容の仕事(例えば、本人に代わり財産を保護したり、本人のために介護施設の入所の手続をしたり・・・)を開始します。

 でも、①の任意後見契約締結の段階から任意後見人となる人に一定の財産管理を任せておきたいという方もおられると思います。
 例えば、「頭はしっかりしているけれども、体が衰えてきているため貸家の管理だけは先に任せておきたい」というような場合です。

 そのような場合、判断能力を失う前(任意後見人が本来の仕事を開始する前)にも、一定の権限(貸家の管理etc)を与えておき、自分の身体の衰え具合により、徐々にその仕事の範囲を広げていく方法があります。
 そうすることによって、事前に信頼関係を築け、スムーズに任意後見契約に関する事務を行ってもらえる可能性が大きくなるというメリットも期待できます。


 その他、老後の不安を抱えている人、自分が死んだ後の配偶者が心配な方や身内に精神障害を負った方がいらっしゃる場合など、一人々抱えている悩みや不安が違いますので、上記に限らず、その人に合った様々な対応が必要となってくると思われます。
 そこで、当事務所では、成年後見に関する相談や、その人にとって採ることができる最適な手続をアドバイス致しております。

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